陳 秀平さん(全国通訳案内士)
中国語の全国通訳案内士として活躍される陳さん。
来日してから日本の入浴文化に触れ、来日23年目の今、すっかり入浴ファンに。
検定受験をきっかけに、入浴の知識をお仕事や日常にどう活かしているかを教えてくださいました!
(インタビュー実施時期:2025年1月)
──受験のきっかけや、その時のお気持ちについて教えてください。
中国には日常的に湯船に浸かる文化がなく、私も来日してから内風呂を使うようになりました。
銭湯をはじめ温泉施設も利用していくうちに、いつの間にかすっかり入浴ファンになっていました。
2024年の9月頃、入浴施設で早坂信哉先生の著書『最高の入浴法』に出会い、初めて「入浴検定」の存在を知りました。
早坂先生の本を通じて、入浴に関する科学的なエビデンスにも触れることができ、「もっと知りたい」、「さらに勉強したい」という気持ちが沸き上がりました。
そのうち、「せっかく学んだ知識を形にし、入浴に関する資格を取得すれば、観光案内の仕事にも役に立つはずだ」と考えるようになりました。
温泉・入浴はインバウンド客にとって日本らしい魅力的な文化体験の一つです。
観光案内中に温泉やお風呂文化に関する質問に的確に答え、お客様により良い日本の温泉入浴体験を提供したいという思いが強まりました。
そのため、温泉入浴に関する深い知識を身につけようと資格取得を目指しました。
──どのように学習されましたか。また、それはどのくらいの期間ですか。
主人も温泉入浴が大好きだったことから、「一緒に勉強すれば共通の話題が増える」と考え、二人で受検することを決めました。
まず、早坂先生の本を読みました。その後、メモを取りながら入浴検定のテキストをじっくり読みました。時々、テキストの内容について二人で話し合い、知識を嚙み砕いて理解しようとしました。
さらに、日常の入浴習慣を活かして学んだことを実際に応用しようとしました。例えば、温泉施設では温泉成分分析表を探して成分を確認したり、テキストの内容を思い出しながら入浴剤を選んだりしました。
試験対策期間は約二週間でしたが、緊張感を持って取り組むことができました。
──受検を通して、ご自身の生活に変化はありましたか。
以前は「お風呂の温度は42℃」程度の知識しかありませんでした。しかし、現在は、より健康的で正しい入浴ができるように、お風呂の温度だけでなく、入浴時間、入浴姿勢、入浴スタイル、保湿のタイミング、薬湯など、入浴に関する様々な要素にこだわるようになりました。
日々の入浴タイムがさらに充実したものになったと感じています。
また、脱衣所にはヒノキのアロマを取り入れるなど、リラックスできる環境づくりも工夫するようになりました。
子どもたちも毎晩お風呂に入る習慣が身につきました。毎晩の入浴で身体が温まり、寒い冬でもぐっすり眠れるようになり、睡眠の質まで格段に向上したと感じています。
また、今後は食育と入浴の知識を生かし、「和食と温泉」をテーマにしたツアーの提案やセミナーの開催を通じて、インバウンド客の日本での観光体験をより充実させたいと考えています。
──今後入浴検定の受験をする方へ、アドバイスをお願いします!
入浴検定は、日常生活に役立つ実践的な知識を学べる、とても有意義な検定です。受検を通じて得た知識は、自分自身だけでなく、家族の生活もより豊かにするきっかけとなるでしょう。
受検をお考えの皆さんには、ぜひ「楽しみながら学ぶ」ことを心がけていただきたいと思います。学んだ入浴知識を日々の生活に取り入れることで、より楽しく、充実した毎日を実感できるはずです。
また、検定対策としては、公式テキストをしっかり読み込み、基本的な知識を確実に身につけることが重要です。特に正しい入浴方法や健康効果についての理解を深めることで、学んだ内容を実生活で活用できるようになります。
人生100年時代を迎えた今、正しい入浴知識を習得し、日々の生活に取り入れることで「健康寿命」を延ばし、より健やかで豊かな人生を目指しましょう。
──今後の抱負をお聞かせください。
温泉入浴に関する知識を活かし、講座を開いたり、SNSを通じて入浴に関する情報を発信したりしていきたいと考えています。
将来的には、この資格を活かして、日本を訪れる観光客に日本の入浴文化や温泉の魅力を伝えるツアーを企画・提供することが目標です。
特に、正しい入浴方法を広めることで、リラックス効果や健康促進につながる体験を提案していきたいと思います。
──ありがとうございました!
陳さんのマイ温泉は…
・神戸みなと温泉 蓮
・有馬温泉 太閤の湯
・灘温泉