訪問入浴とは…
From 佐々木 恵 顧問(看護師、上級救命技能認定取得者)
訪問入浴とは…
自宅の浴槽に1人で入浴する事が困難な方に対し
看護師・介護士・オペレーター(運転手)が3人1組になり、訪問入浴車に自宅で訪問、
浴槽を自宅に持ち込み入浴のお手伝いをする仕事です。
〜訪問入浴の流れ〜
一件あたりサービスは約40〜50分位です。
1、利用者様のお宅に入浴車で訪問します。
2、看護師が体温や血圧等を測定し、健康チェックします。
3、利用者様の居室に浴槽を設置、オペレーターは利用者様の自宅の水道をお借りし、移動入浴車内に配線を通してお湯を沸かします。その配線から10分程で浴槽にお湯をためます。
4、利用者様のご要望にもお応えする為、個人差はありますが、40度位のお湯が浴槽にたまったら介護者2〜3人で利用者様を浴槽にお連れします。
5、介護者3名で、利用者様の顔拭き・洗髪・洗身・上がり湯を15分程で行います。
6、入浴後、利用者様を元居た場所にお連れし、着衣します。
7、看護師が体調チェックし、入浴サービス終了となります。
〜訪問入浴の現状〜
①訪問入浴事業者数
平成27年厚生労働省.介護サービス施設・事業所調査の概要より
●居宅サービス:自宅又は施設で利用出来る介護サービスを言い、介護保険の要介護1〜5の認定を受けた方が対象となります。
2015年10月1日現在、
2262事業所(対前年より-82)
●介護予防訪問入浴:介護保険で要支援1・2の認定を受けた方を対象に、自宅に浴室がない場合や、感染症等の理由から施設の浴室利用が困難な場合等に限定し、サービスが提供されます。
2015年10月1日現在、
2032事業所(対前年より-53)
②利用者数
1、東京都 8,412人
2、神奈川県 5,249人
3、千葉県 3,949人
※社会生活統計指標 都道府県の指標2015より
利用者様の家族にとって、専門職が定期的に自宅に訪問し、利用者様の入浴のお手伝いをする時間は
『とても助かる』という意見が圧倒的に多く聞かれています。
それに比べ、
年々事業所が減っている現状の理由としてデータははっきり出ていませんが、働く側から腰痛・疲労等の声があがっています。
その結果、訪問入浴を仕事として選択する専門職の数が減っている可能性があると話す事業所もあります。
訪問入浴は専門職3人1組でチームが成り立ちます。病院や施設と少し異なり、誰かが仕事をカバーする等の手段がきかず、1人でもメンバーが少ないと入浴車さえ出動出来ないという問題にまで至るのです。
癒しを求める側、
サービスする側、
“どちらも暖かい気持ちで入浴出来る環境作りが望ましい”
そう、想いませんか♪
日本入浴協会が願う、医療と介護のお風呂事情です。