「風呂敷」という名前の由来は?

風呂敷はその名の通り、 風呂での敷物、というところからきていると 言われています。
2月23日は つ・つ・みの語呂で風呂敷の日。 記念日にちなんで風呂敷の歴史をご紹介しましょう。

まず今のような形になったのは室町時代のようです。 それ以前は奈良時代にさかのぼり
風呂敷の元になるものが正倉院宝物の衣装を 包むものとして残っています。
古くは衣包(ころもつつみ)、平包(ひらつつみ)と 呼ばれていました。

そしてその室町時代。 当時の風呂は蒸し風呂のようなもので、 和ハーブ(日本のハーブ)などを燻した上に座わり、床には「すのこ」などが敷かれていました。
ただし直接「すのこ」の上に座るのは熱い! ということで布を敷いていました。
それが「風呂敷」の始まりのようです。
また将軍・足利義満が室町の館に 大湯殿(おおゆどの)を建てたとき、
招いた大名を一緒に風呂に入れたところ、 大名達は脱いだ衣服を家紋入りの絹布に包み、
他の人の衣服と間違わないようにし、 風呂からあがってからはこの絹布の上で身繕いをした、 という記録が残っています。

江戸時代に入り庶民に銭湯が普及し、 銭湯で脱いだ衣類を包んだりその上で着替えるのに用いられました。
また、このころから旅が大衆化し、 荷物を運ぶ際に風呂敷を 使う機会がどんどん増えていきました。
呼び名も風呂に敷く布で包むことから、 「風呂敷包み」や「風呂敷」と呼ばれるように なりました。
やがて商業が発展すると風呂敷は 商いに欠かせない道具のひとつとなります。 呉服屋さんは反物を包み、道具屋さんは いろんな道具を、 古本屋さんは本を包んだ風呂敷を 背負って商売に出歩きました。

こうして「風呂で敷く布」から、「包む布」として行商人たちによって全国に広められていったと考えられています。