入浴剤のルーツと歴史

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入浴剤のルーツと歴史

入浴剤は様々な種類の商品が市場に溢れ、現代人のお風呂ライフに欠かせないものとなっています。入浴剤のルーツは、古来の薬湯、温泉、塩湯などと思われます。成分分析する知識や技術が無かった時代でも、人は何かしらの成分が含まれた真水ではないお湯に浸かることが、本能的・経験的に身体に良いと感じていました。そして、それを人為的に再現しょうとしたものが、入浴剤ということになります。

入浴剤のもっとも古い記録のひとつとして、中世に始まった「五木八草」があります。「五木」は桃・梅・柳・桑、塊・椿・杉などの樹木、「八草」は菖蒲・蓮・車前草・聾・猫:忍冬(樹木)・熊葛・繁緩などの草本で、いずれも日本の土地に生える植物です。五木八草に関する記述は、寺子屋の教科書に使われた「庭訓往来」や、江戸幕府の侍医であった曲直瀬玄朔の書「延寿撮要」なと多数の書物に散見し、大衆から支配層までこの「和ハーブ入浴剤」が利用されていたことが判ります。

「塩湯」とは、海水を汲んできてそのまま沸かし、そのミネラル成分の恩恵を授かっていたお風呂のスタイルです。しかし海が近くにない地域や、海水を汲んでくるのが難しい環境では、塩をお湯に直接入れる場合もありました。これはまさに現在のバスソルトの原型ともいえます。

 

江戸時代に入ると、銭湯では集客なとの目的から、季節の植物をお風呂に直接入れる「柚子湯」や「菖蒲湯」なとのイベントを行いました。同時に街中には、「薬湯」を専門とする銭湯が現れました。主に五木八草なとの植物湯を基本とし、一般の銭湯より価格は高めでした。材料が豊富に手に入らないこともあり、10日間前後もお湯を変えないことから「手ぬぐい」や「ヌカ袋」の浴槽持ち込みは禁止。

またお湯を変える日は「今日新湯」の木札を出し、大変混雑したとの記録が残っています。古い時代に大陸から日本に伝染し、多数の死者を出してきた「天然痘(抱痛)」の治療時や回復祝いには「酒湯(笹湯ともいう)」に入浴する習慣が広く行われていました。日本酒を入れたお湯に米糠、小豆、そしてなんとネズミの糞なとを混ぜたものを薬効があるとされたことが様々な文献に残されています。

そして近代となり、1897年(明治 30年)に日本初の入浴剤の商品が登場します。婦人向けの内服薬であった「中将湯」を製造過程で、生薬を刻む時に出る粉末を「浴剤中将湯」として、主に銭湯向けに販売しました。以降、銭湯向けの入浴剤が次々と開発され、戦後の高度成長期以降の家庭内浴槽の普及に伴う、今日のような一般入浴剤へと繋がっていきます。

 

現代の入浴剤の目的・成分はバリエーション豊か
現在、「入浴剤」と銘打って市販されるものは「医薬品医療機器等法(薬機法、旧薬事法)」において規制され、有効成分が溶けた浴槽の湯に入浴することにより、温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる、など)と清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にする、など)が認められるもので、その使用目的や成分等により「医薬部外品」または「化粧品」の2つに分類されます。

医薬部外品としての入浴剤は、「あせも、荒れ性、うちみ、肩こり、くじき、神経痛、 しJしもやけ、痔、冷え性、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ」等の効能効果が認められています。化粧品としては、表示できる効能・効果は、「皮膚を清浄にする」「皮膚をすこやかに保っ」「皮膚にうるおいを与える」等に限定されています。入浴剤を選ぶのであれば、用途に応じてこの2つを選べばまず安心です。

一方で、商品のバリエーションが広がり、製造技術も進歩しています。例えば実際の温泉の泉質、香り・色なとを科学的に分析して、家庭のお風呂でほぼ同じものを楽しむことができます。また剤形も豊富で、粉末、穎粒、錠剤、液体、あるいはカプセルタイプのものも販売されています。食品や内服薬のように、飲んだり食べたりして身体に直接入れるようなものではないので、通常通りに使っていれば身体へのリスクはほぼ無いといえます。仮に入浴剤が入ったお湯を間違って飲んでしまったり目に入ったりしても、身体への影響は無いように設定されています。

入浴剤成分として生薬系以外によく使われている「無機塩類」は、塩類が皮膚表面 のタンパク質と結合して膜を形成し、湯上り後の身体からの放熱を防いで、保温効果を高めます。そのなかでも「硫酸ナトリウム(亡硝)」は皮下組織の賦活・修復作用(皮膚疾患予防などに効果的)、「炭酸水素ナトリウム(重曹)」は石鹸のような皮膚清浄効果も兼ね備えており、もっとも使われる成分となります。


入浴剤の実践的活用法
入浴剤は「体を温めるために使う」というイメージだけが強い傾向がありますが、実際には様々な機能と効果・効能を備えています。そのバリエーションを理解するために「夏用入浴剤」の例を見てみましょう。

暑い夏は入浴剤を使わないことも多いですが、薄着で冷房の効いた部屋に長くいたりするなかで身体には寒い時期とは違った原因の「冷え」が起きています。しかし外気温が高いためにそれらを実感しづらい面があります。さらに夏の高温多湿な気候は、心身に隠れたストレスや疲労をもったらします。これらの結果として、食欲不振や全身倦怠感といったいわゆる「夏バテ」病状が出るケースがあります。

これから夏特有の体調不良は、実は、「温かいお風呂に入ること」によって解決し、そして夏用入浴剤がその効果を促進すると考えられます。ちなみに暑い夏にはシャワーだけで済ます場合も多いですが、これまで何度も述べていたように入浴における名作用は弱く、夏の体調不良改善には効果は薄いといえます。

夏用入浴剤は、お風呂の温め効果と血流改善効果を保ちながら、湯上がりのさっぱり感や爽快感を引き出すような成分が配合されています。主な成分には、「美人の湯」と呼ばれる温泉によく含まれる「酸水素ナトリウム」すなわち重曹が多く使われ、皮膚の汚れを取り滑らかにする作用から爽快感が生まれます。また皮膚の感覚器に清涼感を感じるよう動きかける「メントール」が配合された場合は、暑い季節の入浴を「涼しく」してくれます。さらに視覚や嘆覚にも工夫し、色はブルー系の涼しげなもの、香りシトラス系やミント系などの爽やかなものが使われます。

逆に冬用入浴剤は、より温まる効果を高めるため、硫酸塩などをメインにして成分配合が行われます。つまり、夏に冬用のものを使うと温まり過ぎることがあるということになります。

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