【入浴 Column】日本のお風呂のルーツ、アシア伝統医療における入浴療法

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日本のお風呂のルーツ、アシア伝統医療における入浴療法

私は予防医学の一環として、アジアに古くから伝わる伝統医療の研究をしております。その手法で主役となるのはやはり植物や動物を使った生薬、次に手技療法、そして入浴などを使ったデトックス療法です。

日本のお風呂文化の大きなルーツの一つは、南アジアで発祥し、中国や韓国を通って日本に伝わってた「仏教」の重要な経典である「温室経」に書かれる入浴です。ところで仏教は元来、インドの古代宗教の発展形でありますが、世界でもっとも古い体系医学といわれる「アーユルヴェーダ」も同じ古代インドにルーツを持ちます。そしてこのアーユルヴェーダの歴史上で一、二を争う名医と言われるのが実質の「温室経」の主役であるジーヴァカというわけです。実際にアーユルヴェーダでは、入浴は重要な治療法。大きく分けて二つあり、それがハーブを使った蒸し風呂療法と、同じく温浴療法となります。

私が訪ねたスリランカの病院では、首だけを出すハーブ蒸気浴を一週間ほど、その後、温浴療法(但し温度が30℃ほどのぬる湯)を同じく一週間ほど行うことを、滞在治療の根幹カリキュラムとして行っていました。両浴法とも、ニーム(インドセンダン)などのアーユルヴェーダ・ハーブを入れて浴します。面白いことに、私が現地のドクター(女性)に、「日本人は病人ではなくても毎日、温かいお湯に入って心身を整える。」と伝えたところ、「それは身体に悪いのでは?」と言って、しかし一瞬考え、「いや、日本はスリランカより寒いので、それで良いのですね。」と言い直しました。

実際に、もう一つの本場で日本と似た気温であるネパールの治療院では、温かいお湯での入浴法は行わず、蒸し風呂療法のみでした。またアーユルヴェーダと現地伝統医療が融合し、マッサージが有名な「タイ伝統医療」でも、ハーバルサウナは重要な療法です。昔は病院も兼ねたサウナ設備を持つ寺院が今でもあり、施浴の精神の元に一般庶民に開放しています。

同じく、アーユルヴェーダの進化形ともいわれる「チベット医学」では、温泉療法および、五味甘露薬浴」という五種の薬草を使った薬浴の二種類の入浴療法が、重要視されます。リウマチなどの重病人のみ対象の治療法で、普段は入浴の習慣が無いチベット人には劇的な効果をもたらすこともあるようです。

このように、入浴は悠久の歴史を持つアジア各地の伝統医療では、病人にのみ施される療法ですが、当たり前のように毎日、その有難みを享受できる環境に生まれた日本人は、とても幸せな国民なのかもしれません。

日本入浴協会 理事
古谷暢基 (医学博士)

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